日本学術会議を考えてみたい
日本学術会議が推薦した会員候補105名の
うち6名の方が任命されなかった。
いろんな事が言われています。
学問の自由が損なわれる等。
何なんだろうかと日本学術会議法を紐解く
第一章 設立と目的
ここが法律の味噌なので条文を列記します。
第一条 この法律により日本学術会議を設立し、この法律を日本学術会議法と称する。
2 日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。
3 日本学術会議に関する経費は、国庫の負担とする。
第二条 日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。
位置づけは我が国の科学者の代表機関
科学の向上発展を図り
行政、産業及び国民生活に科学を反映させる
ことを目的とした組織で国費で運営する団体
ですね。
第二章 職務及び権限(要約します)
独立して職務を行う。
政府は以下の諮問ができる
・科学に対する補助金等の予算の配分
・政府所管の研究所の予算編成の方針
・特に専門科学者の検討を要する重要施策
・その他
学術会議は政府に以下の勧告が出来る
一 科学の振興及び技術の発達に関する方策
二 科学に関する研究成果の活用に関する方策
三 科学研究者の養成に関する方策
四 科学を行政に反映させる方策
五 科学を産業及び国民生活に浸透させる方策
六 その他日本学術会議の目的の遂行に適当な事項
いわば、時の政府の考え方によって
科学開発の方向がおかしくならないように
するお目付役ですね。
会員の推薦は第6条で次のように規定
会員は、第十七条の規定による推薦(学術会
議が選定)に基づいて、内閣総理大臣が任命
する。
内閣総理大臣が任命するとなっているので嫌
な奴は任命しなくても良いともとれます。
しかし、そこはこの組織の根本で第3条で規
定している独立を損ねる。
いわば、任命権に基づくコントロールを今回
の内閣はしようとしていると解釈できます。
これまでの政府の国会でもこの任命権につい
ては形式的なものと答弁しています。
明らかな違法行為といえます。
これが許されるのなら
内閣総理大臣の任命権のある天皇が国会の指
名を無視して、嫌な奴は総理大臣に任命しな
いことも出来るようになると思います。
憲法第六条
天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を
任命する。
自分なりにこの問題を法律を紐解いて考えてみ
ましたが浅学なものですので間違っていたら
ご指摘ください。
参考までに
日本学術会議法http://www.scj.go.jp/ja/scj/kisoku/01.pdf
今回の任命拒否はダメですね!
任命拒否した6人に致命的な問題があれば拒
否もありうるでしょうが理由を明示していな
い。
法治国家である日本の内閣が法律違反を犯そ
うとしている!
日本学術会議に問題があるのであれば法改正
をすべきですね。
そもそものところは憲法改正に行き着くよう
な気がします。
憲法改正が出来ないのでその解釈を変えて政
権は国際情勢に対応する。
憲法と現状との間に乖離が生じる。
法学者としては憲法に照らした正論を出すが
国益を考える政権は面白くない。
だから排除したい。
今回の問題はここに行き着くのかなと思えま
す。