山好きオヤジの独り言

山の思い出や日々の事を書き留めています。

とんでもない大岡裁き

本日は節分、2月3日である。


節分であることから「大豆の日」になっている。


語呂合わせから「乳酸菌の日」でもある。


大岡忠相が1717(享保2)年のこの日、南町奉行に就任している。


大岡裁きということでテレビドラマに登場するが、


大岡が裁判を執り行ったのは19年の在任期間に1回だけで


行政官として徳川吉宗を支えたようです。


その1回の裁判が「白子屋おくま事件」で現在では考えられないものです、


お熊の夫が下女のきくに殺されかけて、頭部に傷を負っただけの殺人未遂事件である。


その殺人未遂の傷害事件の判決が


くま  市中引き回しの上獄門(主犯 密通と夫の殺害未遂)
きく  死罪(白子屋の下女 殺人未遂、傷害の実行犯)
ひさ  市中引き回しの上死罪(密通をそそのかした罪)
忠八  市中引き回しの上獄門(手代 女主人との密通の罪)
つね  遠島(殺害未遂の従犯)
店主・庄三郎 江戸所払い(妻子の監督を怠り、世間を騒がした罪)
按摩の横山玄柳 江戸所払い(事件への加担)


被害者は一人も死んでいないのに


死刑が4人、遠島1名、所払い2名、もちろん私財は没収となる凄い判決です。


事件の内容は、


資金繰りに苦しんだ白子屋が結納金目当てにくまに資産家の息子を婿に迎えたが、


くまは夫を嫌い、結婚後も古参の下女・ひさに手引きさせて、手代の忠八と関係を持ち、


母のつねも娘の密通を知りながらこれを容認。


くまは離縁を望んだが、離縁すると結納金を返さないといけないので


忠八と夫の殺害計画をたて、按摩の横山玄柳を騙して夫に毒を盛らした。


夫は体調を崩しただけであせったつねとくまが、


きくを脅して夫に切りつけるように仕向けた。


現在と違って密通の法定刑が死罪なので


くま、忠八、ひさが市中引き回しの上獄門か死罪、主人を殺そうとしたら死罪、


監督不行き届きで江戸払い。


大岡裁きと言われますが、時代背景や法定刑の違いもあるものの、


実態はとんでもないものですね!


獄門と死罪の違いは、前者は晒し首にされます。


くまや忠八は、死の前も晒され、死後の生首も晒されたんですね。

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