山好きオヤジの独り言

山の思い出や日々の事を書き留めています。

鳥取県の平野部は海に呑み込まれるのか

山陰で盛んだった「たたら製鉄」


出雲の玉鋼と呼ばれ島根県東部が有名ですが鳥取県の中西部も盛んでした。


山を崩して大量の水で軽い砂を荒い流す「かんな流し」という手法で砂鉄を採取して、大量の木炭で焼いて、純度の高い鉄を作り出します。


古代から近世まで山陰の経済を支えていました。


山を崩して水で流し、大量の木炭を得るために山の木を伐ってしまいます。


当然、土砂が流れ出して川は氾濫し、古代は海であった湾を埋め尽くして平野を形成しました。


さらに海に流れ出した土砂は波と風で浜に押し寄せ遠浅の砂浜と砂丘になりました。


たたら製鉄が終わり、山には木が植えられ、砂防工事もなされて、川が氾濫することもなくなり、万事目出度しの時代になったのですが


寄せては返す波は海岸の砂を沖の深海に運び、近年ではだんだんと砂浜が無くなる事態に陥っています。


砂浜が無くなり、その後ろの保安林にまで海に飲み込まれています。


下の写真は保安林を守るための護岸です。


数年前の大波で護岸の基礎が洗われて、後背の砂が流れ出して崩れた護岸を復旧した跡です。


再度、基礎が洗われないように大量のコンクリート製品を投入していますが、砂の流出は続いていますので、更に投入しないといけなくなると思います。


護岸の後背地でこれからここに松を植えていきます。


ここも気を抜くと大風の時の波で海になってしまうかもしれません。

波で深海に流れていった砂は帰ってくることはありませんので、新たな土砂が川から供給されない限り、砂浜の浸食は続きます。


ここのような護岸のあるところも災害にあう状態なので、護岸の無いところは保安林が浸食されています。


残土なんかを海に投入すれば、海洋汚染になるし、どうしたら良いのでしょうか?


自然の摂理だと言えばその通りですが、内陸には人間の暮らしがあります。


砂の流出に加えて、温暖化による海面上昇もあり、鳥取県の平野部は海に飲み込まれる運命にあるのでしょうか?


なんとかして欲しいものです。

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