山好きオヤジの独り言

山の思い出や日々の事を書き留めています。

焼物屋(亡き父の思い出)

我が家は焼物屋でした。


大きな登り窯があり、重油バーナーで


温度を上げて、松の薪をくべていました。


普通に焼くぶんには問題が無いのですが、


還元焼成と言って酸欠状態にして焼くと釉


薬の発色が変わります。


酸欠で薪を燃やすので黒い煙が出て来て、


裏山が真っ黒になります。


これは可愛い方で塩釉というのがあり、これ


は酷いものです。


1000度を越す窯に塩をぶち込んて、発色


させる方法で出来たものは美しいのですが、


問題は副産物です。


塩素ガスが発生して高い煙突から裏山に流れていきます。


当然、裏山の竹の葉が少し枯れてしまいます。


良く見なければ解らない程度の枯れ方です。


我が家は、山の中の一軒家、周りは孟宗の竹林なので


多少変なことしても苦情は来ない。


焼物屋ですので、売り物にならない物も出来ます。


それらはその当たり(敷地内の山)に投げてしま


います。


こう書くとオヤジが犯罪者のようですがロータリ


ークラブの会長も務めて、それなりに地域では尊


敬されていました。


国画会というところに所属していて、会員(審査


員)にもなりました。


商売は、オヤジの同級生が立派な会社のオーナーで


会社の盆暮の贈答品を大量に発注してくれていたの


で安泰でした。


おかげで私は、大学、院にまで行かせていただき、


今に至るまで大学で学んだ林学で食べています。


近所に焼物屋が出来たら、注意しながらも温かい目


で見てやってください。

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